ancco
anccoは、茨城県の酪農業の家に生まれました。雄大な自然と白黒の牛に囲まれて育ち、10歳になる前に父親から譲り受けたWindows 95が彼女を芸術家の道に導きました。コンピューターだから可能な緻密で偏執的な絵作りは、現在の彼女の作品に見つけることができる、とても細かく意識の行き届いた造形や筆致、質感に繋がっています。そして、近年とても精力的に取り組んでいる陶芸は、彼女の大きな成長を促しています。コンピューターでの創作と異なり、操作不可能な外的環境や偶然に大きく作用される陶芸のプロセスが、彼女の完璧主義を打ち壊し、受容や有機的な調和といった観念や感情を学ぶきっかけとなったのです。素材との対話、インターネット、国際的な友人たち、東京の生活、古いオモチャから影響を受ける彼女は、これからさらなる活躍が期待される新しい世代の日本人アーティストです。
anccoの作品群は、一見、可愛らしく色とりどりなキャラクターたちが登場する所謂「Kawaii」的な特徴があります。実際に、国民的アイスクリームと言って差し支えないであろう〈pino〉のパッケージデザインにキャラクターデザインを提供するなど、anccoにとっても稀なケースではありますが、最大公約数的な「Kawaii」が必要とされるであろうプロジェクトにも参加しています。しかし、その経歴や作品を隅々まで観察すると、もちろんそれだけでラベリングできる作家ではありません。SNS以前の時代にanccoを育んだ「お絵かき掲示板」などのインターネット文化、現代社会・政治の様相、使い古されたぬいぐるみや細部への愛情などの要素が混じり合っています。
